S.M.S.L DO400 レビュー

久々にオーディオ製品を買いました。

SMSL製のDO400というDAC兼ヘッドホンアンプです。

公式サイトはこちらから。

S.M.S.L Audio

2023/10/10
なぜか192kHz 24bitなどのハイレゾ音源がUSB経由で再生できない不具合がある状態と判明。光入力、同軸入力など他の入力の確認はできていない。個体差なのかこのモデルの問題なのか不明だが、メーカーに問い合わせ中

2023/10/28
上記の状態は現在も継続中。調査してもらったが原因不明。その代わりTOSLINK(光同軸入力)なら192kHz24bitまでのハイレゾ再生は可能であると確認取れたので、USBからTOSLINKへ移行しました。私のPC環境にも問題があるかもしれませんが、フルスペックでUSBを使用したい購入検討中の方は要注意です。

2024/10/24
購入して1年以上経ち、SMSLの公式HPからSupportのFirmwareからDO400用の最新ファームウェアを導入したところ、USBのハイレゾ再生の問題は解決されていました。384kHz32bitまで再生確認済みです。安心して導入できると思います。

概要

 DO400は$499(日本円で70,000円弱)という中価格帯のモデルです。安くもなく、高くもない、中価格帯ど真ん中の価格設定だと思います。日本だとAmazonから購入可能です(23年10月現在)

 為替の影響で少し値が張っているような印象を受けますが、100円/$で換算すれば5万円ですからね。

 このモデルは、基本的な機能が豊富に取り揃えられています。詳細は製品ページを見てほしいですが、デジタル入力端子がUSB、光、同軸、I2S、AESときっちりそろっています。さらにBluetoothもあります。出力はRCA、XLRのライン出力とあります。ヘッドホンもバランス、アンバランス出力がライン出力と独立して装備されており、入出力で困ることはないと思います。

特徴

 中価格帯ながら、DACはESSのES9039MSPROというMQA対応のフラッグシップクラスのものが装備されています。オペアンプもOPA1612Aを使用しており抜かりありません。ヘッドホンアンプ部分はPLFCという名の回路になっているそうです。PLFCは海外の情報だとTPA6120Aと書いてありまして、もしかしたら何らかのカスタムを施したTPA6120Aかもしれません。

 これらの装備から発揮されるスペックは市場で出回ってるほとんどのDACとヘッドホンアンプの中でもトップクラスの性能です。小音量から大音量までの無歪み出力、きわめて低いノイズフロア(高能率なイヤホンでも全くノイズがありません)が揃っています。

 インターフェイスはデジタルボリュームノブと専用のリモコンがついており、操作は快適そのものです。とくにボリュームノブは非常によくできており、微調整から大雑把な操作までストレスがありません。また、ライン出力にプリアンプ機能があるので、パワーアンプに直結できます。

 デザインもよいと感じます。高級感とまではいきませんが、十分に質の高いものです。ディスプレイも視野性が良く、見やすいです。

 強いて言えば、付属の電源ケーブルが所謂アース付きの3pinとなっているので、必要に応じてアースなしの電源ケーブルを買うとよいと思います。

サウンド

 最初に断っておくと、私のオーディオ歴は長いですが、さほど深いものではないです。一般的な愛好家レベルの耳の持ち主だと思って、このサウンド評価を見ていただければと思います。

 まずRCA出力からです。アンプにFX-AUDIOのFX502J-S、スピーカーはONKYO D-D2Eをつなぎました。どちらも廉価なものですね。DO400の前は、FX-AUDIOのDAC-SQ4Jをつないでいました。

 実は一聴してわかる変化は少ないものでした。ただ、しばらく音出ししていたところ、明らかに違う点をいくつか見つけました。まず、極端にノイズフロアが低く感じます。そのため、音の実体感が増しているというものです。それも、音色は少ない状態でスムーズかつソリッドです。一音あたりの輪郭をはっきりとらえることができます。暗闇から音が浮き上がるという印象が強いですね。安物のアンプと、コンパクトなブックシェルフでかなりレベルの高い音が出てくるので、よりよいスピーカーとパワーアンプがあればなおさら実力は出ると思います。

 次に私の本命であるヘッドホン出力です。ヘッドホンは、オーディオテクニカのATH-AD2000X(バランス改造済み)、HiFiMANのHE400i(バランス接続)、Beyerdynamic DT880 Edition 250Ω(バランス改造済み)を聞き分けてみました。イヤホンはTRN ST5です。

 意外だったのは、どのヘッドホン、イヤホンでも傾向は同じであったことです。スピーカーのつないだ時と同様、スムーズかつソリッドな音です。それが、どのボリューム位置でも成り立ちます。小音量でも大音量でもです。これは立派ではないでしょうか。左右のセパレーションやノイズフロア、歪み感、どれも文句のない領域で、さらに音量にかかわらず、その性能を発揮します。強いて言えば、Chord Hugoのような熱の入った音や、ReLeaf E1Rのような強烈なスピード感はないです。ReLeafに関しては1時間ほどの視聴経験があるだけですが。そういう意味でいうと、DO400の音色は皆無です。本当に無色透明です。

総評

 正直言って、7万円でこの出音なら全く文句がありません。というか、利便性も考えると極めてよくできています。これ以上の出音を求める場合、間違いなく周辺機器にも相当な投資が必要でしょう。カジュアルに使いたいならこれ以上にない音です。

 ただ、音に特徴はないので、何かキャラクターを求める方には向かないでしょう。DACのキャラクターを極力排除したい、無色透明がいい、そういう方にはぴったりだと思います。

 こういう音が手に届く価格であることは、幸せですね。

“S.M.S.L DO400 レビュー” への2件の返信

  1. パソコンで
    スピーカーのプロパティにある詳細から
    既定の形式で変更できないですかね?

    1. すいません!返信とても遅れました。

      スピーカーのプロパティで指定の形式にしても、USB経由だとどうにもハイレゾが再生できませんでした。
      メーカーのほうで、どうやら対策ファームがあるらしいと海外のフォーラムで見ましたが、やり方が載っていなくて、私はあきらめました。。。

      SPDIFならハイレゾ再生は問題ないです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です